キープ・ザ・チェンジ|東京国際映画祭

運転手付きの車で移動する裕福なデヴィッドは、ささいな問題を理由に集団セラピーへの参加を義務付けられる。しかし自閉症の大人たちによるセラピーに、自分は無関係であるとの態度を貫く。女好きで、出会い系サイトで知り合った女性に実際に会っては断られ続けるデヴィッドは、次第にセラピー仲間のサラに惹かれて行くが…。

素敵なNYを舞台に、思いっきり個性的な男女が織り成す異色のロマンティック・コメディである。デヴィッドを演じるン・ポランスキーと十数年来の友人であった監督は、彼を通じて自閉症の大人たちの世界を知ったという。一緒に映画を作る決心を固め、ブランドンやその友人たちとともに、彼らの実生活を代弁できる架空のキャラクターを長い年月をかけて創造していった。その結果生まれた本作は、デヴィッドの感情の動きに心を揺さぶられる、感涙必至の最高のラブストーリーとなり、演じるブランドンはたとえ自閉症の役者であっても広い層に訴える演技ができることを見事に証明した。トライベッカ映画祭で最優秀アメリカ映画賞を受賞。

(c) Night to Shine LLC

集団セラピー参加を義務づけられ、大人の自閉症セミナーに参加することになった主人公デヴィッド。自分は違うと頑なにセラピー参加仲間との交流を拒んでいたが、天真爛漫なサラとのになったことをキッカケに徐々に心を開き、サラの魅力に引き込まれて行く。
自閉症の立場からの視点、苦悩をリアリズムに描いていく作品。
セラピーに参加する自閉症の仲間たちもそれぞれ自身の世界を持っていて、それは、至って自然なことで、基本的には健常者となんら変わりはないように感じさせてくれる。
1人の人間として普通に生きている
障害者理解が深まる逸品。