アルカンターラのアンドレア・ボラーニョ会長兼CEOが来日し、本日「イタリアのアートと日本のテクノロジーの融合」と題するイベントを実施した。
日本の技術的ノウハウとイタリアの情熱、デザイン、職人芸とを融合させたアルカンターラという素材イベント。
アルカンターラ社は、イタリアの専門職人のハートと技を備えた、イノベーションと製品開発の実績ある企業で。
商品としてのアルカンターラは、ミラノに本社を置く同社のブランド製品で、そもそもは1970年代初頭に東レが開発したカバーリング素材。それ以来、アルカンターラは多様な変貌を遂げ、多彩な分野へと用途の幅を広げている。
今回のイベント「イタリアのアートと日本のテクノロジーの融合」では、同ブランドのさまざまな成功に注目するとともに、特に今年、国内ファッション分野への本格参入にふさわしい形でアルカンターラ素材を紹介した。
■ファッション産業におけるアルカンターラ
昨年の「アルカンターラ:イタリアのアートと日本のテクノロジーの融合」イベントにおいてボラーニョ会長は、ビジネス戦略として今後は自動車業界以外の分野へも積極的に進出していくと述べました。特にファッション、コンシューマ・エレクトロニクス、家具・インテリアです。これはすでに欧州、アジア、米国で成功を収めている世界的な拡大戦略に続くものです。
2度目となる今年のイベントでは、日本が世界に誇る山本耀司のファッション・ブランドのひとつ、 Y’sとのコラボレーションを実現しました。Y’s
では2014-15 秋冬コレクションのために、アルカンターラを用いた服を多数デザインしました。素材には特殊プリント、ラミネート、キルティングといった加工が施されています。さらに、柔軟かつ耐久性が高いという特性を活かして、アルカンターラ素材のテープを使ったニット作品もありました。
ボラーニョ会長兼CEOは次のように述べています。「今回、日本のファッション業界への本格進出にあたり、Y’sとのコラボレーションは最適なパートナー関係であると言えます。1981年にデザイナー山本耀司氏がパリ・デビューを果たして以来、Y’sブランドはモード界へ常に革命をもたらしています。一方アルカンターラも、限りない可能性を秘めた特性によって、単なるカバー素材という存在を超えてさまざまな変貌を遂げてきました。どちらも日本が生んだ、世界に誇るブランドと言えます」。そして今後について「ファッション分野はすでにアルカンターラの総売上高のおよそ10
%を占めており、また東京は世界のファッション界に欠かすことのできない都市です。今後も東京から発信を続けていくことで、ファッション業界でのブランド認知度を高め、著名なデザイナー、デザインハウス、ブランドとのコラボレーションなどを行っていきたいと思います」と抱
負を語りました。
アルカンターラはすでに東京のほか、ミラノ、フィレンツェ、ロサンゼルス、パリ、北京、上海など多くの大都市でファッションイベントを開催しています。
今回、イタリア大使館での権威あるイベントは、アルカンターラ社にとって新しい商品ブランド「A’alcantara」を紹介する絶好の場となりました。この日紹介されたのは
3 つの象徴的なスタイルによる特製小物コレクション(クラッチバッグ、ショルダーバッグ、トートバッグ)です。50年代・60年代イタリアの注文婦人服をテーマとした今回のコレクションは、最新鋭のテクノロジーと洗練されたイタリア職人の技という独自の実験的コンビネーションによって作られたものです。
本コレクションのコンセプトは、ふつうとは異なる意表を突く洗練されたスタイルを作り上げることでした。レザーを裏打ちに使ったアルカンターラがバッグの主役となり、なによりもシックで、現代的で、倫理面にも関心を持つ女性の複雑なパーソナリティを表現しています。A’alcantaraのバッグは贅沢でゴージャスさを求める人々が対象となります。アルカンターラ素材はシックで高級感のあるテクスチャによって変身し、多様性と五感に与える印象を強調しています。そしてアルカンターラ素材の上にはダチョウの羽根や大きなクリスタルが飾られ、メタルのディテールや黒のマクラメ編みと調和しています。レトロ調の花柄プリント、細やかな刺繍、アイレット(ハトメ)は、常によみがえる過去につながる新しいテーマを示しています。色づかいを見てもセルリアン・ブルー、トウプといった微妙な色合いと、ラスト・レッド、ビリヤード・グリーンといった強い色
とがあり、さらにライムグリーンとパウダーピンクといった意外な組み合わせもあります。
■自動車業界におけるアルカンターラ
アルカンターラは長年のうちに、グローバルな活動を行う企業として、また車の内装を特別な環境に変える理想的なパートナーとして(特に欧州のトップブランドに対して)定評を確立してきました。しかもグリップ性、通気性、耐久性、柔軟性、軽量性、強度など多数の特性について、もっとも厳しい業界標準を完全にクリアし、すぐれた技術的性能を発揮しています。世界の大手自動車メーカーが代表的な車種の内装にアルカンターラを選ぶのはもはや当然のことです。「メイド・イン・イタリー」の素材アルカンターラというブランドは、既存市場・新興市場の両方で高い認知度を得ています。自動車業界はアルカンターラの総売上高の63%(2013年)を占めており、引き続き重要な用途となります。特に米国市場では、2013年に自動車関連売上高が対前年比
46% 増となり、グローバル総売上高を1 億 1,070 万ユーロ(2012 年に比べて 5.9 %
増)に押し上げるひとつの原動力となりました。
3月に閉幕した、世界的に注目される展示会のひとつであるジュネーブ・オートショーにおいても、30社に及ぶ自動車メーカー、42種のモデルに採用されたことはアルカンターラの存在感を示しています。
■コンシューマ・エレクトロニクス業界におけるアルカンターラ
テクノロジー機器はほんの数年で、新しい革新的なグローバル・ライフスタイルの基礎を築いていき、これに伴うデザインにおいても、機器の完全なコスチュームとして注目されています。革新的でデザイン指向の素材、アルカンターラにとって、これ以上望めないほどの状況です。現在アルカンターラは世界の大手エレクトロニクス・メーカーのパートナーとして、関連アクセサリ類のデザインと製造に携わっています。たとえばスマートフォン用カバー、タブレット用ケース、スリーブ、各種バッグなどが高級なアルカンターラ素材で作られています。
アルカンターラは商品プロジェクト全体を任されることも少なくありません。単に素材を提供するだけではなく、依頼企業のために完成製品のデザイン、製造、販売までを行うのです。
世界的な企業とのコラボレーションの例としては、アメリカのApple
ストアとのパートナーシップがあります。現在、販売されているのはiPhone 5
用の4種類のアルカンターラ製カバー(ブラック、レッド・メランジュ、ラミネーテッド・グリーン、ブルー、グレイ)です。イタリアのブランドがApple
ストアや Apple プレミアム
リセラー・ストアに登場するのはこれが初めてです。さらに国際的に有名なドイツの2ブランド、ゼンハイザー(ヘッドフォン)およびライカカメラとのパートナーシップも続いており、アルカンターラで仕上げたヘッドフォン、カメラケースのシリーズが商品化されています。2013
年、コンシューマ・エレクトロニクス業界での売上げは全体の約20% を占めています。
■アルカンターラとインテリアデザイン
アルカンターラはすでに新進デザイナーによるファッション・コレクションで名を知られてきましたが、今度はデザイナー家具の分野に進出しました。美しさと制作プロセスの両面で、象徴的作品となるべきすべてを備えたプロジェクトです。イタリアの芸術家・デザイナーであるマッシミリアーノ・アダミ(Massimiliano
Adami)はアルカンターラ素材の特別な性質をよく理解し、決まった枠にとらわれることなく、素材を自然な形でみごとに使いこなしました。
その結果生まれたのが「アルカンターラ・ロール」チェアです。このユニークな作品では、アルカンターラは表面素材ではなく構造素材として使われ、
彫刻のようなボリューム感を生み出しています。大きなアルカンターラのロールを使って円筒を作り、芯がくりぬかれた幹のような円筒を形作り、その中心に柔らかいさまざまな色が見えるようになっています。それは地図の等高線か、咲いたばかりの熱帯の花のようです。素材は豊かな色彩と比類のない密度感によって、みがいた漆のような緻密な仕上げとなり、同系色であれ対照色であれ、さまざまな色合いを表現することができます。
このチェアはかなり大きなサイズ(高さ180 cm、幅 80 cm)のために トーテムのようなオーラがあり、原住民の酋長の椅子のようにも見えます。
職人の手で作られた限定版の「アルカンターラ・ロール」チェアは、本素材の構造的・色彩的特性を強調するためにさまざまなデザイン実験を行ってきたブランドの歴史に、新たな一ページを開くものです。
*この発表はグローバルのものです。
アルカンターラホームページ:
http://www.alcantara.com
アルカンターラ You Tube チャンネル(日本語):
http://www.youtube.com/user/AlcantaraJapan